怪我をした時、冷やしてはいけない(一)

身体のどこかを強くぶつけて打撲したとか
あるいは足首を何かの拍子にちょっと捻ったりして
その、怪我をした場所が腫れてきて熱を持ち、
痛みを感じた時、あなたならどうするか。
保冷剤や氷水を使って冷やすか
あるいは薬局で売っている、ひんやりする湿布を貼る
という人は多いのではないだろうか。


ここでちょっと考えてみよう。
怪我をした時、なぜその場所が赤くなって腫れたり
熱くなったり、痛くなったりするのか。
それは、身体が怪我をして傷ついた組織を修復するのに
そのほうが都合が良いからだ。


傷ついた組織を修復するためには、
血流量を増やし、代謝を亢進させる必要がある。
だから血管が拡張する。その結果、腫れる。
代謝亢進のためには温度を上げる必要がある。だから熱を持つ。
組織が修復する前にその部分に負担をかけることは危険だ。
負担が大きければ、その分修復も進まない。
その危険を知らせるために、わざわざ痛みを感じさせる。
怪我をした時、私たちの身体に備わっている自己治癒のシステムが
ちゃんと起動出来る状態なら、そうやって直ちに仕事を始める。


そんな時に患部を冷やすということは
組織修復のための仕事を始めた身体にブレーキをかけ
余計なことをするな、と言っているのと同じことである。
あるいは消炎鎮痛剤を含む湿布薬を貼るなら、冷やすだけでなく
血管拡張や発熱を起こす「プロスタグランジン」という物質を作る過程を阻害する。
身体にしてみれば、手かせ足かせである。


もし私が身体なら、こう思うね。
「えええ!何それ。なんで?なんでそんなことすんの?
いやいやいや、そんなことされたら、ここ、治せないんですけど。
え、どうすんの?まじで。意味わからん。もう、勘弁してー。」